のんびり続ける備忘録。   今年は節約しながら旅するのだ~


by imusam928
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カテゴリ:観劇( 41 )

2000年の上演の再演ということだが、初めて観た。「彩の国さいたま芸術劇場」という遠い劇場(埼京線与野本町)なので悩んだけど、ロンドン公演で評判だったことと、今月末にはNYリンカーンセンターに招待されているとかで、気になったので行って来た。
2つの作品で構成されている。

『卒塔婆小町(そとばこまち』
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・老婆・・・壌 晴彦
・詩人・・・高橋 洋
いきなり舞台は大きな椿の木に囲まれた夜の公園。舞台の上に椿の花が落ちているだけでなく、ポト、ポットン、ポトッ・・・っと芝居の間中ずっと椿の花が落ちる。椿は花首から落ちることから戦国時代は演技悪いとされていたり「死」をイメージしてしまう。でもまさにそれが効果的な演出だった。若い詩人が99歳の老婆と幻想の世界に入り込み、「口にすると死ぬ」という言葉を口にする。現実とも幻想ともつかない独特の映像美で、老婆役の壌さんの存在感によって成り立っている舞台だった。

『弱法師(よろぼし)』
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・俊徳・・・藤原 竜也
・桜間級子・・・夏木マリ
無機質な調停の一室、育ての親と生みの親が息子の親権を争っている。その息子、俊徳(としのり)は20歳。5歳のときに戦火の中で親とはぐれ、阿鼻叫喚の世界を目に焼き付けたまま、火災で失明してしまった。その後は裕福な育ての親の元で、愛に飢えた自分を表せないままに体験した恐怖から狂人的な人物になっていた。怯えているかのように静かに話す様子から、一変して狂気に苦しみ、絶望に荒れる様子を演じる藤原竜也。美しい口調で冷静な調停人の夏木マリとの対比でインパクトがあった。彼は年末に「ロミオとジュリエット」の舞台で活き活きとしたロミオが印象に残っているけどこういう作品もいけるね、と思っていたけどもともと蜷川氏に育てられたようなものだったっけ。
『卒塔婆小町』とは反対にシンプルな舞台で、大きな窓からの夕焼けが戦火を思わせるなどの照明による演出が効果的だった。

どちらも三島由紀夫の劇作を蜷川幸雄演出というコンビネーションだが、どちらも強いパワーと独特の世界観があるものなので、観るほうにもパワーがいる。そして駄目な人にはダメ。私はどっちも好きなほうなので、久しぶりに観終わってずっしりとした感覚。
これからNYでどんな風に感じられるのかが楽しみだ。
でも藤原ファンというだけで来てしまったらしい女の子たちは中途半端なブーイングしながら歩いていたなあ(笑)。
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by imusam928 | 2005-06-07 22:07 | 観劇