のんびり続ける備忘録。   今年は節約しながら旅するのだ~


by imusam928
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

藤田嗣治展@東京国立近代美術館

d0036951_043258.jpg実は、あまりよく知らない日本人画家だった。ツグハルという名前ではなく、レオナルド・フジタとして私にはメモリされていたのだ。
行ってみて、もっと知らないことがたくさんあることに驚かされた。TVの特集番組でパリ時代のことを少しだけ予習していたが、それ以上に彼は世界を駆け抜けていたのだ。
私が彼のイメージとしてメモリされていた作品は、渡仏して苦労の末に一躍ピカソやマチスたちと名を連ねるようになった時代のパリでの作品で、「乳白色の肌」を特色とした繊細な線とごくごく薄い色を重ねたものだった。裸婦と「猫」の印象がとても強かったので、今回の展覧会で、パリ時代以降の作品をはじめて観たことになる。
パリから南米を回って日本へ帰国する間の、今までとは正反対の鮮やかな色使いと力みなぎる油彩のタッチの作品には、動きも表情も「乳白色の肌」を描いていたとは思えない温度を感じる。そして、日本での純和風の生活を過ごしながら、日本各地の風土特有の風刺画とも取れる作品は、アメリカのノーマン・ロックウェルのようだ。南米のものとは違っても、色の豊富で緻密な描写の油彩画は、活き活きとした人物が印象的だ。
そして、大きな号数での戦争画、再びパリへ戻ってからの子供や動物達をモチーフにした日常をコミカルに描いたイラスト的な作品、キリスト教の洗礼を受けて「レオナルド」になったこと、宗教画も数多く残していたこと・・・これらは本当に全く初めて見聞きした。
10代で画家を志し、81才で亡くなるまでの長い時間、おそらくやりたいことがあふれてしかたなかったのだろう。自分のスタイルを追い求めていくのは芸術家の宿命だが、こんなに画風スタイルが明確に変わっていく画家の生涯というのをあまり他に知らない。ちょっとだけ絵画をかじったせいか、モチーフや画材や作品に向かう画家のシチュエーションがとても気になるのだが、20代で渡仏してようやく見つけた日本を強く意識した墨と面相筆を使った画風から、世界の偉大な画家たちや各地の文化を吸収しつつ、大きく変動しているのがとても興味深かった。画風を変えることをためらうことなく、楽しんで、そしてそれを生涯かけてやってのけている画家本人にも、とても興味を抱かせた。
日本の教育では、なぜちゃんとフジタを取り上げなかったんだろう?20世紀はじめにホントに世界をまたにかけた芸術家を日本人としてもっと知らなくちゃ。
[PR]
by imusam928 | 2006-04-11 00:10 | アート・芸術