のんびり続ける備忘録。   今年は節約しながら旅するのだ~


by imusam928
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「贋作 罪と罰」@シアターコクーン

d0036951_22474136.jpgこの作品は11年ぶりの再演ということだけど、初演を見ていないので、比較もできないけどメルスに比べると私にとっては新しいNODA MAPだった。NODA MAPは「走れメルス」以来、ちょうど1年ぶり。
と、思わせるのは野田特有の語呂合わせのような言葉遊びが少なくて、いわゆる劇作風の詩情的な台詞まわしだったからかな。ドフトエフスキーの原作もも読んでいないからどれくらいの忠実さかわからないけど、幕末に置き換えた設定なので、時代劇風に感じるからかもしれない。



でも舞台装置は斬新で、コクーンの通常舞台をはずして正方形の舞台を置いて四方に観客が入る。役者も舞台の袖=四方の観客の一列目の前に自分の出番じゃないときは座ってる。大道具もさまざまな形の椅子と、柱状のものがメインで、まるで近代アートのようにそれらをつかっていろんなものを表現する。最低限の道具で観客に想像させるわけで頭の固いときは難しいかも?でもなんか美術学校のワークショップみたいで面白かった。
しかし細長い劇場の真ん中にある舞台なので、どうしても前と後ができてしまい、当然背を向けて喋っていると聞えにくいし、舞台は高いからそっち向きで何をやっているのか見えにくいのが不満。中央を横断する形での薄い幕を下ろしたときなど、向こうの観客は見えてたのだろうか?などと思ってしまった。その点では青山の円形劇場や、世田谷パブリックシアターのようなつくりだとうまくいくんだろうな。同じ松たか子主演で観た「コーカサスの白墨の輪」はすり鉢状の中央ステージで舞台全体が観やすかったし、効果音も含めて袖の役者が担当する同様の設定も、民俗音楽的な擬音が効果的に使われて印象深く残る。比べるつもりは無いけど松さんもそっちのほうが活き活きしていたように思う。それでも今回の松さんは、その罪を抱えて苦しみ、最後には罪を自白するまでの心情を表現する役にぴったりだった。わりと前のほうの席だったので、その熱い表情や罪を認めて浄化されるようなシーンの泣き顔(だったと思う)はまさに役者魂。舞台ひとりで独白するその長い時間、他の役者もふくめて全員の視線をあらゆる角度からうけとめて輝いていた・・・。この人はぜったい舞台の人。
私のお気に入りの古田新太はいつもの彼らしさはもちろん健在だけど、最低限に抑えられたシリアスな役どころ。こういうお芝居でもしっかり存在感を見せてくれて満足。そうそう新感線以外の舞台ではじめて見る右近さんが新鮮だった・・・。
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by imusam928 | 2006-01-15 21:44 | 観劇