のんびり続ける備忘録。   今年は節約しながら旅するのだ~


by imusam928
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「天保十二年のシェイクスピア」@シアター・コクーン

d0036951_031279.jpg蜷川幸雄演出「天保十二年のシェイクスピア」を観た。
シェイクスピア作品ですごいな、と思ったのは蜷川演出が初めてだったので、それから何度か観ているのだが、今回はシェイクスピアをモチーフに作り上げられた、井上ひさしの戯曲が原作になっているという「ひねり」がある。
それでも70歳(!)を迎える蜷川氏が、作品発表当初に読んで、その時からずっと演出し たいと思っていた作品ということで、それにこたえた井上氏がさらに脚本を推敲した、という。
さらに蜷川演出経験者オールスターといわんばかりの豪華なキャスティングに¥13500という高値のチケットを手に、期待しないわけがない!

とはいえ、あまりに大勢の登場人物、アングラ系でトーンの暗めだったら?、しかも長台詞のシェイクスピア・・・で、「ねちゃうんじゃないか」という実は一抹の不安もあった。
しかし、寝てる場合じゃあなかった。





休憩を挟んで約4時間の芝居はあっという間に終わってしまった!
舞台シーンの変わる回数も、登場人物もとにかく多いけど、混乱することなく、怒涛のように進む物語に食い入るように見入ってしまった。
センターではなかったけど前から2列目席だったので、役者の表情は恐いくらいに見える。絶対目が合う。恥ずかしいくらいの距離にみんな、居る。生の声がしっかり聞ける。

過去にも蜷川シェイクスピアでみたことのある役者としては、背ムシで髪はぼさぼさの醜い姿で眼光みなぎる唐沢寿明、ハムレットやロミオのイメージを脱ぎ捨てて新たな世界に挑戦した藤原竜也に驚いた。もう蜷川舞台には欠かせない”色”とでもいうような白石加代子と夏木マリの存在感には圧倒された。はじめて見た篠原涼子は思っていた以上によかったかも。2役の早代わりもうまくやってのけていたし。全体的にはミュージカル要素がつよく、どの役者もふつうに歌い上げていた、というより宇崎竜童のリズム(音楽)にのって長台詞を読んでいる、という感じなのかもしれない。
豪華キャストによろめいてチケットを取ってくれた友人、他のあまり演劇見ない同行者たちには勝村君が大人気。「カッコイイー!!」と目がハートだった。そう??もともと彼も舞台出身だから安心してみていられる一人だけど、聞いてみると友人たちはテレビでしか見たことがなくて、立ち回りなど迫力のある動きやデカイ声に惚れたようである。

シェイクスピアをモチーフにして天保十二年の江戸が舞台。そんな劇画チックな舞台の上で井上&蜷川マジックはややこしい展開も歌ってみせたり踊って楽しませたり、妖艶なシーン、エロいシーン、残忍なシーン、ロマンチックなシーンetc・・・と本当に飽きさせないのだ。
くるくる代わる舞台装置もまったく無理もなく、ストーリーテラーによる作品全体のつなぎ(ここもシェイクスピア的?)も物語の統一性として効果的だったと思われる。芝居慣れしていない友人たちも大満足していた。
70歳の蜷川さん!あっぱれ巨匠でありまする。

それにしても約4時間の中にシェイクスピア23作品が盛り込まれていたらしい・・・とプログラムを読んで知った。もともとのシェイクスピア原作も知らないし、井上原作も読んでいないからわかる分けないのだけど。これからまたいろんな劇作品として見る機会を作りたいと思う。

ひさしぶりにお腹一杯楽しんだ気分で劇場をあとにした。
芸術の秋の始まりにふさわしい一夜。
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by imusam928 | 2005-10-22 14:14 | 観劇