のんびり続ける備忘録。   今年は節約しながら旅するのだ~


by imusam928
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KING OF POPとお別れの夜

d0036951_13223816.jpg「11/27が最後だよ!行けたらぜひ!」
と、水曜のヨガの講師が『This is it』を観るのをすすめるので、もともと行こうと思っていたのに、期間延長したけどあっというまに2週間がすぎていたのにあわててしまった。その夜に、金曜の夜になんとかしてレイトショーに行こうと、ネットで席を確保。それでも地元に近いところや新宿銀座などは完売。行って帰れる場所を見つけてよかった。最終日に行けてよかった!いつかDVD化されるだろうけど、スクリーンで見てよかった。

 80年代にしっかり洋楽にはまった世代なので、ファンじゃなくても彼の存在は自分の中でとても大きい。ということがよくわかった。正直、自分でアルバムを買ってないけど、曲もPVもしっかり覚えているし。でも、こんなにじっくり約2時間も彼をみていたのは初めて。そして、これが最後になってしまったのが本当に残念。

 懐かしいリズムのイントロが流れてくると、ワクワクしてくる自分がいて、おとなしく座席に持たれて見ていられなくて、立ち上がって手拍子うちたくなる。でもそんなことしている人はいないので、可能な限り小さく身体を動かすことで我慢。これって、外国だときっと大声援と口笛で盛り上がるんだろうな、六本木に行けばよかったかななんて考えたりしてた。でも、楽曲もフルコーラスで続くわけじゃないし、貴重なドキュメンタリーフィルムとして、瞬きも忘れてスクリーンに集中した。



 映画は個人的記録として撮影されていたものから作られているけど、時間をかけて作りこまれたPVのように豪華で、とても細かいところまで彼の想いが行き届いたステージが準備されていたのがわかる。映像でも感激するけれど、それをライブで目の前で体験できたはずなんだよ、本当なら。
 完璧主義者というより、彼自身が完全なんだ。自分の楽曲が本当に細かいところまでイメージできて、それを演奏、コーラス、ダンス、音響、照明、CGまで指示できる、そこがすごい。それも嫌味な指示ではなくて、「Loveだよ」って言いながら伝えるし、ぴったり合うと「イイね」「最高!」と言える。なんていうのか、ホメ上手?人によっては叩かれて這い上がるタイプもいるけれど、人は絶対ほめられて伸びると思うので、ちょっとした一言で、更なる上をみんなが目指していく。ギタリストの女性に自分の高音を出して、「もっと一番高い音で!ここからは君の見せ場だよ」なんて言われて緊張して戸惑っているけど、あのあと絶対彼女は最高のパフォーマンスを研究し尽くすはず。監督のオルテガとの信頼関係も厚く、自分の意見ばかりを通すのではなくて、「やってみるよ」と受け入れる大きさ。彼のそういう様子を見たら、誰しもどうすればよりスペシャルになるかを考えないわけがない。さりげないリーダーシップによるチーム作りがわかった。こういうのはどんな社会でも同じだけど、できる人はそういない。
  
 スタッフもみんな彼のことが好きなんだから、とてつもない相乗効果がうまれてくると思う。あるスタッフが言ってた「フレンドリーで謙虚」というコメントが印象に残る。スタッフにも気さくにみんな話しかけている様子はあちこちにあった。世界中を絶叫させるプラチナ級スターなのに、素顔の彼はそういう人なんだ。なんとなく最近はスキャンダラスな話題が目だっていたけれど、本当に純粋な人だったんだとわかる。

 彼を見てダンスを始めたの、というように、誰もが彼のまねをした80年代。私の通った高校は少し面白くて、文化祭ウイークの1日は各クラスでステージ発表がある。今ですらダンスはちびっ子もやってるけれど、当時はまだ日本のアーティストもダンスを表に出すようなことはなくて、アイドルの振り付けって言うのが多かった。だからクラス発表も紅白風の群舞みたいなものが多くて、それでも生バンド入れて編曲演出してたんだから、画期的だったな~と今でも思う。そのなかで"Beat It"をやってた上級生クラスがあって、カッコよかった!というのを覚えてる。そのセンターにいた先輩は私たちの間で大人気だった。そういう人が世界中にいて、ダンサーオーディションにやってくきてる。憧れが現実、って言葉では簡単だけど、とんでもない興奮だよ。映画の中でもダンサーたちは本当に嬉しそうな顔で”あの振り付け”を一緒に踊ってる。リハーサルでステージの外から見ているときなんて歓声を上げるただのファンの顔。 彼らは毎日が贅沢な時間だったろうなあ。

 ダンスシーンを見ていても、50歳ということが信じられない。ちょっと不自然に上を向く鼻や、どこにそんなスタミナをためられるのかと思うほどスレンダーな身体は、pvでみたあのころの動きを時の流れなんて感じないほどのレベルで見せ付ける。流行のダンスにもない、真似できない彼オリジナルのステップ。ダンサーなしで、一人で”Billie Jean”を通しているシーンは圧巻。たぶん振り付けはその場の即興なんだろうけれど、作りこまれていない分、往年のステップとピシッと決まるポーズ、彼の中から自然に出てくるスタイルに鳥肌がたつ。
 歌声もそう。リハーサルではまだ本気ではないとか言いながら、十分すぎる。というより、私が聞いてきた彼の歌声は、レコーディングされたものの繰り返しだけど、リハという現場では音程や音量やリズムテンポを調整しながら歌うので、今まで知らない歌い方でもある。興が乗って全身をつかった迫力のあるシャウトもいいけれど、さりげないハミングはあらためて彼の甘い声がわかる。
 楽曲も聴きなおしてるとKING OF POPって言われるのがわかった。音楽ジャンルを区切るのも難しいけど、POPであることって作りこんでできることじゃないような気がする。ちっちゃい頃から歌っていて、ステージでもジャクソン5の曲を歌って家族兄弟への感謝を述べたシーンがあって、その頃から彼のベースが変わってないよね。人を愛すること、みんなが楽しく幸せでいること。Save the Childlenの活動も思い出した。
 それが大きく大きくなって最後に”地球を癒そう”のメッセージに繋がってる。ヨガの講師はこのメッセージのことも含めて、すばらしいからヨガやっている人はぜひ見てと言いたかったらしい。でも、まさかこれが最後といわれたコンサートにこんなメッセージが込められているなんて!これをツアーで多くの人にリアルに伝えてほしかった!短い映像の中でもジャングルの緑が文明の力で壊されている様子が描かれているけれど、身近にもそういうシーンも何度も見たり、多くの命も奪う自然災害が多発しているのを懸念して最近自分でも怖くなることがある。彼のような存在が国や政治でできない力を産み出せるんじゃないかと思えた。

 ラストのほうで”This is it"が流れると、本当にやさしい歌声で癒される。もう何度も何度もFMで流れていて聞いているのに、すーっと身体にしみこむ感じがした。今の、彼だからできる歌い方とメッセージなんだと思う。こんな形で聞きたくはなかったけれど。この曲をちゃんと歌詞もあわせて聴きなおしたくて、このアルバムを手に入れよう。

 終電を乗り継いで、深夜に地元駅から帰宅途中、交差点で信号待ちをしていたら、大音量で”Billie Jean”のイントロが流れてきて鳥肌が立った。爆音を轟かせてバイクが止まった。この人ももしかしてどこかで『This is it』のレイトショーを見た帰りなのかも、とヘルメットの横顔に微笑んでしまった・・・。
 今まだ医師の処方が原因だとかもめているけれど、何をどうやっても彼はもういない。彼が”地球を癒そう”という残したメッセージをもっと何かの活動につなげることこそ、彼が喜ぶと思うのだけれど。
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by imusam928 | 2009-11-29 02:15 | 映画